今年のサクラは静かで、静寂の中にあるからこそ、いつも以上に美しく見えるように思えます。 フランスのティーブレンダー、ブリジットからも頻繁に心配するメールや電話の連絡があって「他になにもできないけど、何か少しでも役に立ちたい」と、地元のボルドーで寄付を募って、パリにある日本大使館を通じて国際赤十字社に寄付をしたと。ありがたいですね。 そんなメールを読みつつ、赤十字って、la croix rougeっていうんだなあなどと、あたりまえだけれど、普段は意識しない単語も世界共通なんだとしみじみしてしまいました。 数日前に祖母が他界しました。どこも悪いところはなく、病気ではないので老衰だと。ロウソクの火が消えるように静かに旅だって行きました。人間はこうやって別の世界へ行くんだなあと確かに理解できました。目標の100歳には届かなかったけれど、享年98。大往生ですね。 危篤になってからも最後にゆっくり会うことができたし、そんな中でもやっぱり昔の人はすごい!と、教えてもらうことがいっぱいありました。 話がなくなると「ありがとう」しか言わない。しみじみと「ありがとうねえ、ありがとうございます」と、こればっかり。スプーンでお水をあげている時には、ふと気がついて「ほら、みんなにも配って」と。自分だけ飲んでいるのが悪いと思ったのか、まわりにいる人にも何か配れと。半分意識がないような状況で、まわりにも気を配れる人ってなかなかいないだろうなあ。 ツライのは自分なのにグチは言わずにまわりを気遣い、あとは感謝の言葉ばかり。昔の日本人ってこういう人が多かったのでしょうね。 元気がある時は、段取りが気になるのか、死んだらあのキモノを掛けてくれとか、棺桶はどうする?とか。笑っちゃわるいけど、自分の棺桶の心配している人っていないと思う... おばあちゃん、面白すぎ。 でもそれほど、おだやかに自分の死を迎えられるのは幸せなんだろうとつくづく思えました。 子供の頃は掃除の仕方から、履物を揃えないとか片付けができないとかよく怒られたけど、おばあちゃんの家が一番落ち着くので、イヤなことがあるとしょちゅう避難していたし(笑)、孫の中では一番、一緒に時間を過ごせたし、おばあちゃんの孫で良かったなあとやっぱり感謝です。 一つの時代が終わったという寂しい気持ちも大きいけれど、これからは大好きなおばあちゃんがあの世からいつも見守っていてくれるという不思議な安心感もあって、これからはもっともっとパワーをもらって自分の役割をまっとうできる!と、元気がでてきました。がんばらなくっちゃ。 へんな言い方かもしれませんが、近頃はやさしい人が多くなったように感じます。先日も仕事でやや大きなトラブル中、面識のなかった人々に助けてもらいました。あれは本当に本当に有り難かった。震災で大変な状況の中、人を思いやれる余裕があって助け合える世の中ってうれしいですね。 とりあえず、選挙に行ってこよう!
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| 2011-04-10 10:10
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